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禅がZENZENわからない人のための部屋

この漢字を見つめても「?」しか浮かばないどころか、だんだん「蝉」に見えてきてしまう…。そんな、「禅」についてなんの知識も持たないライターが、東京都世田谷区にある臨済宗(りんざいしゅう)のお寺、龍雲寺のご住職・細川晋輔(ほそかわしんほ)さんに素朴な疑問をぶつけてきました。「禅」と聞くだけで近寄りがたいものを感じてしまう方、ぜひ一緒に学んでいきましょう。

聞き手・構成:小泉なつみ

  • 一 禅の部屋
  • 二 さらに奥の、禅の部屋
  • 三 お坊さんの部屋
  • 四 禅展の部屋
三 お坊さんの部屋
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細川さんのお寺、龍雲寺

そもそも、細川さんはどうしてお坊さんになったんですか
いま住職をしている龍雲寺の次男だったからっていうのはやっぱり大きいですね。世間では二世への風当たりが強いですけれど。
若い時とか、ちょっと嫌だなあとか思いませんでしたか。遊びたい盛りですし。
小学生のときは普通になりたくて、マンション暮らしに憧れたこともありましたね。あと、必ず「生き物係」をやらされるんですよ。金魚とかが死んだときにお経をあげて欲しいからって。
同じクラスだったら、ついお願いしてしまうかもしれません。
お経をあげるだけで、メソメソしていた女の子が泣き止んだりするんですよ。でもそれが実はいいところで、日本人は「死」というものにぶち当たると、根拠も論拠もないけど仏様を信じようっていう心がありますよね。
たしかに、お経やお坊さんを疑いの目で見たことは一度もありません。
根拠がなくてもいけちゃうのが宗教のいいところでもあり、一番危ういところでもある。だからこそ責任重大だと日々、感じています。一方で、坐禅をすると脳からα波が出てどうとかって言われますけど、そんな医学的なことは一旦置いておいて、座ってみて自分がどう感じるかっていう方を大事にしていただきたいなと。
細川さんは、禅をやっているお坊さん、という認識であってますか。
ええ。禅を信じている、禅が好きなお坊さんってことであってます。
お坊さんは結婚OKですか。
はい。僕も去年結婚しました
それはおめでとうございます!失礼ですが、恋愛結婚ですか。
はい、友人の紹介です。
自分の拙い経験ですが、恋愛って得手勝手になりがちじゃないですか。相手の家に歯ブラシ置いて帰って己のマーキングしたりとか。そういうことがついて回る恋愛って、禅と相容れない気がするんです。
僕はイライラしそうになったら坐禅を組みました。ケンカをしても、やっぱり禅で救われたところはありますね。そもそも、いまは既読スルーされただけで「相手に嫌われているんじゃないか」とか、便利になりすぎたがゆえにストレスを抱えがちです。そういう意味でも、一回捨ててみるという禅的思想が必要とされているのではないでしょうか。
じゃあ細川さんは、恋愛で失敗したことないんですか(ギラギラ)。
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まいったなもう。

恋人にフラれたり仕事がうまくいかなくなったり、大切な人を失ってしまったり、そういう辛い時のために禅ってあると思うんです。しんどい時こそ、あえて自分の中から答えを出す。人にもらった答えって、正解じゃないと思うんですよ。占い師だろうが人生の先輩だろうが、その人に言われたことはあくまでも参考意見であって、真の答えじゃない。自分に尋ねて、自分で出した答えこそ大切なんです。自分を見つめる作業って、非生産的です。時間がもったいないっていう人にとっては無駄な時間と思えるかもしれないけれど、無駄だからこそいいんですよ。
どんな質問をしても、全部禅に繋げていく…。細川さんって商売上手、じゃなくて布教上手ですね。
いえいえ。禅の教えを広めるのが僕らの役割だと思っているんで…。マラソンでもヨガでもビリヤードでもゴルフでも、自分を見つめる手段っていろいろあると思うんです。そのなかで私たちは、坐禅でもって自分を見つめていこうっていうことなんですね。
休みはどうしてますか。ジャージで昼からお酒飲んだりしたりしますか。
よく聞かれますが、お酒もタバコも特別に禁止されてないんですよ。もちろん推奨されてはいませんが、それに依存してはいけないというのは、どのお仕事も同じだと思います。ただ基本的に休みはないです。お葬式の連絡がいつ入るかわからないので、海外旅行も難しいですね。
大変な職業ですね。
公的な書類なんかに職業欄ってありますけど、いつも当てはまる職種がないんで「その他」に○してます。でも僕はあんまり職業って言いたくないんですよ。昔は「お坊さんって生き方です(キリッ)」なんて言ってたんですけど、最近は「道楽」がいいなあって。道楽者っていうととんでもないヤツな気がしますけど、もともとは仏教語で仏道を明らめる、楽しむって意味があって、僕にとってお坊さんが道楽ってすごいいいなと。だからみなさんのお仕事も、仕事といえど道楽であってほしいなと思いますね。
お坊さんの部屋でわかったこと!お坊さんの部屋でわかったこと!
  • 一 禅の部屋
  • 二 さらに奥の、禅の部屋
  • 三 お坊さんの部屋
  • 四 禅展の部屋

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