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意外に身近な禅の世界

禅というと坐禅修行のイメージが強く、また難解で一般の生活とはほど遠い世界のことと思う人が少なくないかもしれません。
しかし、禅の教えでは日常の行いやふるまいすべてを修行ととらえています。
食事を作ることも修行の一環で、食事前には「食事五観文」と呼ばれる食事作法の教えを唱えて、万物に感謝の気持ちを表し、食材を無駄なく大切にいただくことで、精進の心を養います。掃除や農作業、建物の修繕といった勤労作業も、一つ一つの動きを通して、自分自身を見つめなおすことにつながる大切な修行とされています。
また、茶道や華道、能や狂言など日本の文化として根付いているものの中には、禅に由来し、あるいは影響を受けているものが多いことがわかります。

禅トピックス一 精進料理
禅寺の食事の基本は、肉や魚を使いません。野菜を中心にいろいろな具材を工夫して作るのが精進料理です。「けんちん汁」はその代表例で、臨済宗大本山の「建長寺」が発祥とされ、「けんちょう汁(建長汁)」がなまって「けんちん汁」になったと言われています。
禅トピックス二 修行
禅宗の住職になるには、各本山など全国に約40カ所ある専門道場に入門して修行します。道場の玄関で数日間入門を懇願する「庭詰(にわづめ)」、玄関の小部屋で坐禅を行う「旦過詰(たんがづめ)」といった入門試験から始まり、坐禅や参禅を集中的に行う「接心(せっしん)」や、「作務(さむ)」「托鉢(たくはつ)」といった日常的な修行があります。
禅トピックス三 禅問答
修行僧が指導者の老師と一対一で問答をやり取りすることを参禅と呼び、老師から公案と呼ばれる悟りを開くための課題が与えられます。修行僧は暮らしの中で参究工夫し、次の参禅で見解(けんげ)を示して老師の判定を受けます。この公案の答えは一つではなく、老師の見方に則したものでなければなりません。
禅問答というと難解で答えの出ない無意味な議論の意に揶揄されることもありますが、本来はこの修行のやりとりのことを指します。また、なぞかけの際に使われる「作麼生(そもさん)」「説破(せっぱ)」という掛け声は、「さぁ、どうだ」「受けてたとう」の意味で、禅問答で相手に問いかける際に使われた言葉に由来します。

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